【トイレ】便器の洗浄力が正しいかテストする方法

 

トイレが「しょっちゅう詰まる」や「詰まりやすい」などの相談を受けることがあります。

 

たしかに、最近の節水トイレは洗浄水量が少ないので、昔のトイレに比べれば詰まりやすいです。

 

トイレが詰まるのは「使い方なのか」とか「便器自体に問題があるのか」とか不安に思うことあるかと思います。

 

今回は、トイレ(便器)の流れが適正なのかを調べるための方法について解説します。

 

洗浄テストの方法は、JISやベターリビング基準に則ります。

 

国産のトイレメーカー(TOTO社やLIXIL社)は、この基準で製造していますので間違いのない方法といえます。

 

 

 

 ▼洗浄テスト方法(日本工業規格 JIS A 5207)

 

 

1.トイレットペーパーを長さ760mm

  カットし丸めたものを7個用意する。

 

2.これら全てを1度に流す

 

3.便器から全て排出されればOKです。

 

 

では、やってみましょう。

 

 

長さ760mmになるようトイレットペーパーを測ります。

 

 

 

カットしてゆるく丸めます。それを7個つくります。

 

 

 

7個すべてトイレに投入します。

 

 

 

レバーを「大」の方に引き流します。

 

 

無事に、残らず排出されました。すべて排出されましたのでテスト結果は合格です。以上、簡単にできました。

 

ということで、合格でしたがもう少し厳しくテストした方が良いかと思います。

 

というのは、便器には残っていないのですが、排水管で詰まっていたらダメなのでは?と思いますよね。

 

日本レストルーム工業会によりますと、一回の洗浄で排水管内を10m以上搬送するとの規定があります。(以降は、流すたび10mずつ送り出される)

 

ということなので、排水管内を確認して10m先まで送られているか確認しましょう。と言いたいのですが、そう簡単に確認できませんよね。

 

なので、洗浄テストを複数回繰り返して詰まるかどうかを確認します。10m以上流れていなければ、何回かテストしても問題ないはずです。仮に10m流れていなければ、徐々に詰まってくることになります。

 

上記の洗浄テスト(7個丸めて流す)を3~5回程おこなってみましょう。

 

すべて問題なく流れるようならば、間違いなく洗浄テストの結果は合格です。

 

 




 

 

 

 ▼洗浄テストでNGの場合

 

残念ながら、洗浄テストで流れ切らないこともあるかと思います。その場合の原因と対処についてまとめました。

 

 

 ▼考えられる原因

 

  ・トイレの取付け不良

 

  ・排水管の不良

 

  ・浄化槽のつまり

 

  ・通気の不良

 

 

実はトイレに問題があることは少ないです。同じトイレの型は、全国に数千台と設置されています。仮にトイレの設計に問題があったのであればリコールになるような問題ですので、調べれば情報がみつかるでしょう。

 

以下、確認していきましょう。

 

 

 

 

■原因1 施工不良

 

簡単にいうと正しく取り付けたられていないということです。

 

「排水管」と「便器」がうまく接続されてない場合があります。これはトイレを取り付ける際の人的ミスです。

 

取り付けを行う人も、プロとはいえ人間です。慎重に行っていてもミスをすることはあります。

 

この場合は、正しく取り付け直しをしてもらえば解決します。

 

 

■原因2 排水管の不良

 

トイレから排水される配管に不具合がおきている可能性があります。排水管は勾配といって、スムーズに流れるように傾斜がついています。(排水管の勾配は建築基準法で定められています。)

 

勾配が正しくないとうまく流れません。新築では滅多にないのですが、リフォームでトイレを取換えた際に発見されることがあります。

 

もともとのトイレは水量10㍑以上流していたので、勾配に多少問題があっても流れていたのですが、ここに節水型トイレ(約5㍑)を設置したら流れなくなったということがあります。

 

この場合は排水管を引き直す必要があります。また、本当に勾配がとれていないか調査が必要にもなるため、水道屋さんにお願いした方がよいでしょう。

 

 

 

■原因3 浄化槽のつまり

 

浄化槽を利用している住宅の場合のみが対象になります。

 

詰まっているかは、浄化槽のフタを開ければ確認できます。また、汚水桝を開けて確認もするとよいでしょう。

 

詰まっているようでしたら、普段メンテナンス(汲み取り)をお願いしている業者に頼んでください。

 

 

■原因4 通気の不良

 

排水管には、「通気口」といって空気の出入り口が設けられています。空気が出入りすることによって、排水がキレイに流れるのです。

 

その通気口が、なんらかの理由によりふさがってしまうと流れが悪くなります。

 

過去には、通気口周辺に「鳥の巣」がつくられて、ふさがってしまったなんてケースもありました。通気口の点検は、「家を建てられた会社」か「水道屋さん」にしてもらいましょう。

 

 

 

■まとめ

 

トイレの詰まりが頻繁に起きるようでしたら、まずは洗浄テストを試してみましょう。洗浄テストで問題がないようなら、使い方に気をつける必要があります。

 

「トイレットペーパーを使い過ぎないようにする」とか「2回に分けて流す」などの工夫をしてみましょう。

 

洗浄テストでNGになった場合は、原因を絞り込んでいく必要があります。上記にもいくつか解説しましたが、総合的にチェックしてもらうには、プロにお願いする方が無難です。

 

最近の節水型トイレは、ひと昔前のトイレとは別物です。詰まりやすいなどの心配があったときは、まずは洗浄テストをやってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 




 

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