ウォシュレット/シャワートイレを自分で交換するときの注意点
温水洗浄便座は、ホームセンターや家電量販店などで販売されており誰でも気軽に購入することができます。特に「シートタイプ」と呼ばれる便座タイプの温水洗浄便座は、価格の安い物も多く手軽です。販売店にて取付工事を行っておりますが、費用は別途かかるため自力で取付に挑戦される方もいらっしゃいます。
今回は、シートタイプの温水洗浄便座をご自身で取換えする前に考えて欲しい事と注意点です。
▼シートタイプの温水洗浄便座
まずは、以下に箇条書きします。具体的な注意点はそれぞれまとめてありますので、読み進めていただければと思います。
・自宅の便器に取り付く機種なのか?
・工具は揃っているのか?
・交換した物の処分をどうするか?
・ネットの手順書は当てにするな
では、さっそく
■自宅の便器に取り付く機種なのか?
言い換えると「機種の選定できますか?」ということです。シートタイプの温水洗浄便座は便器に取り付いています。便器には二つ穴が開いており、穴にボルトを通し下からナットで止めるイメージです。機種によって上面から取り付く物もありますが、どちらにせよそこは大きな問題ではありませんのでご安心ください。
▼便器には二つ穴がある
問題は、穴と穴の間隔です。現在の商品は、TOTO製、LIXIL製、メーカー問わず基本的には同じ規格です。ところが、古いものだと、穴と穴の幅が広かったり狭かったりします。穴の間隔が違うと取付け出来ません。また、便器やタンクの形状によって取り付かないことがあります。今、ご自宅で使用している便器の型番が分からなければ、購入しても取付かない可能性が出てきます。
ただし、その辺りの知識はホームセンターの店員さんもお持ちですので、ご自宅トイレの写真を撮ってから購入にいけば問題ないかと思います。インターネットで購入するのは、自信がないのであれば辞めるべきでしょう。未開封なら返品できたとしても、取付かないことに気付くのは開封後ですので無駄な買い物になってしまいます。
■工具は揃っているのか?
作業には工具が必要です。止水栓を止めるための「マイナスドライバー」、リモコンや上面施工のビスを締めるための「プラスドライバー」、給水管(給水ホース)を締め付ける「モンキーレンチ」もしくは「スパナ」は最低限必要です。ドライバーはある程度の大きさがないと強く回せません。モンキーレンチは2つ無いと作業がしにくいです。タンク内のボールタップが供回りしてしまうのを押さえるために「プライヤー」なども使います。その他、我々プロは状況に応じて数々の工具を用意して作業しています。
▼工具(ドライバー、モンキーレンチ、スパナなど)
現在、手持ちの工具がないのであれば、一式揃える費用を考える必要があります。今後、使用予定のある工具なら買っても無駄にならないのですが、このためだけに購入するのであれば、業者の取付工事費と比較すべきです。
掃除道具や洗剤も同じです。取換えをしていると、日頃手の届かなかった箇所が汚れてきることに気がつきます。新品を取付ける前に、キレイに清掃したくなるはずです。ここにもプロのコストがあります。プロは、汚れていることを想定して、キレイにする道具や洗剤を常備しています。それらを購入する費用も考慮しておく必要があります。
作業の途中に、工具が足らなくて買いに行くなんて事態も想定しておきましょう。
■交換した物の処分をどうするか?
処分のコストも考えるべきポイントです。取り替えた古いウォシュレットやシャワートイレの始末は意外と面倒です。一般的には粗大ごみとして引き取ってもらうことになりすが、自治体によって違いがありますので確認が必要です。費用は数百円〜数千円ほど掛かるのが一般的です。そのあたりの手間とコストを判断材料に入れておくべきです。
■ネットの手順書は当てにするな
最後に、最も大事な注意事項です。ここまで読んでいただいた上で、ご自身で作業される方に、必ず守ってもらいたいことです。
それは「施工説明書をしっかり読む」ということです。
▼施工説明書
商品には必ず「施工説明書」が同梱されています。「説明書」ではないので間違えないようにして下さい。「施工説明書」には、その商品の取付け手順が記載されています。我々プロでも、新しい商品の取り替えの際は「施工説明書」を読んで手順通り行っています。
インターネットの記事を当てにして作業をしないで下さい。様々なサイトやブログで、取り替え手順など紹介されていますが、汎用的な内容が多く全ての機種に対応はしていません。機種によって取付け方法は違います。また、新しい商品になれば新しい取付け方法に更新されていることもあります。
「施工説明書」には、ズバリその商品の取付け方が記載されており、当然ですがメーカー公式の手順書です。間違った取付け方をして不具合が起きたとしても、メーカーは保証してくれません。必ず「施工説明書」を読んで、その手順に則って作業をして下さい。
以上、ご自身で温水洗浄便座の取り替えを行う前に考えるべポイントをまとめさせてもらいました。自分で作業することで安く済ませようという考えなら、必ずしもDIYがベストとは言えないことがご理解いただけましたでしょうか。
ご自身で取り替えを行ってはダメということではありません。そもそも工具を使ったり作業したりするのは楽しいものです。DIY好きの方なら何を言われようが挑戦したいでしょうから、上記のポイントを参考にして前向きに行って下さい。無事に取り替えが出来てより快適になることを心から応援しております。